コンゴ共和国で、原因不明のエンストに見舞われたときだった。
誰もいない、誰も来ないところで、ぽつんと立ちすくんでいた。すると、死に神が風の流れに乗って、草原を横断していった。
>それはガボンからコンゴに入国してまもなくのあたりだった。道幅一杯の、大きな水たまり(池?)が目の前に現れた。
アクセルを吹かして突っ込むと、水たまりの中ほどに、落とし穴のように急に深くなっているところがあった。その深みに前輪を落とす感じでバイクは止まった。エンジンは止まり、ウンともスンとも言わない。
ひざくらいまでの深さの水たまり。
押しても引いてもバイクは動かない。幸か不幸か、タイヤが水底にささっているようで、手を離してもバイクは倒れない。その状態でそっとバイクの荷物をほどき、道路わきに次々と放る。
荷が無くなった状態で、バイクを必死になって引っ張り出す。今思い起こしても、よく一人であの状態から、引き上げられたと思う。それくらい、水底にタイヤをつかまれていた。
水たまりからやっとTETSUROHを引き上げるが、エンジンがかからない。
あたりには誰もいない。かれこれ、一時間は経つが、誰も通りかからない。野営するための水も食料もない。
言いようのない恐怖に駆られ、茫然自失になったときだった。草原を死に神が渡っていくのが見えた。
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し~がるの現在地は日本です。
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アクセルを吹かして突っ込むと、水たまりの中ほどに、落とし穴のように急に深くなっているところがあった。その深みに前輪を落とす感じでバイクは止まった。エンジンは止まり、ウンともスンとも言わない。
ひざくらいまでの深さの水たまり。
押しても引いてもバイクは動かない。幸か不幸か、タイヤが水底にささっているようで、手を離してもバイクは倒れない。その状態でそっとバイクの荷物をほどき、道路わきに次々と放る。
荷が無くなった状態で、バイクを必死になって引っ張り出す。今思い起こしても、よく一人であの状態から、引き上げられたと思う。それくらい、水底にタイヤをつかまれていた。
水たまりからやっとTETSUROHを引き上げるが、エンジンがかからない。
あたりには誰もいない。かれこれ、一時間は経つが、誰も通りかからない。野営するための水も食料もない。
言いようのない恐怖に駆られ、茫然自失になったときだった。草原を死に神が渡っていくのが見えた。
おそらく、メカに強い人にとっては、取るに足らないトラブルだったのだろう。しかし、メカに疎いし~がるにとって、エンジ ンがかからないとは、死にも等しい恐怖を感じた。また、このころ、すでにステータコイルがイカれはじめていて、液晶スピードメーターも満足に表示できないで いたのだ。電装系に、すでに不安を抱えていただけに、恐怖もひとしおだった。
マフラーは水面より上だったが、エアーエレメントの下のほうが、わずかに水でぬれていたので、そこからエンジンに水が入っ た疑いが強い。しかし、対処法など知らない。たしか、スパークプラグをはずして、エンジンを逆さまにし、水を抜くような気はしたが、やったことはない。試 してみようとはしたが、一人ではバイクを逆さまにできず、逆にクラッチレバーを折ってしまったりもした。
幸い、スパークプラグの清掃をしたりしたら、エンジンはかかった。中に入った水が少なく、戸惑っているうちに乾いてくれたのかもしれない。その後も、頻繁にエンストが起きたが、スパークプラグを清掃することで、かろうじてエンジンはかかった。
コンゴ共和国からアンゴラを越えて、ナミビアのウィントフックまで、ずっと、こんな状態で走りつづけていた。
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2 コメント:
おはようございます。
昼間でよかったですよねぇ・・・
夜だったら寒いし怖いし・・
足だって水虫になりそう・・・
写真を撮る余裕があるんですねぇ・・
すごいわぁ・・
しかし、「回想録」面白いです。
また書いてくださいね。。
dadaさん、コメントありがとうございます。
>写真を撮る余裕があるんですねぇ・・
ほかの人にも言われました(爆)
画質が低いので、出版物とかにはちょっと使えないのですがね~
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